双11(独身の日) 預售始まる
中国で生活をしていて強く感じることといえば、EC(ネット通販)の凄まじいまでの発達度合ではないかと思います。
EC成長の背景には、スマートフォンの普及・ネット環境の驚異的な発展・物流網(快递)の整備・中国の国民性など、種々様々な要素があると言われていますが、1人の末端ECユーザーとして感じるのは、とにかく利便性が高いということ。注文するモノや平台(プラットフォーム)によって異なるものの、朝方アプリでポチッとすれば当日中に配送がなされますし、生鮮食品なんかは注文後30分で無料で自宅まで届けてもらえます。食料品から生活用品、おもちゃや家具、家電、服飾なんでも揃います。
価格面から考えても、実店舗で買うよりは大体安いですし、年がら年中セールをやっていることもあり、消費者のお財布にも優しいものといえます。ざっと例(暦は年によってバラつくものの、基本的な各月の大きなイベント。間違いあったらスイマセン)を挙げてみれば、
1月の元旦
2月の年貨節(春節)、情人節(バレンタイン)
3月の女性節
4月の清明節
5月の労働節
6月の618(京東の創業祭)
8月の七夕節
9月の中秋節
10月の国慶節
11月の双11(11月11日、独身の日。メインはTMALL)
12月の双12(12月12日、メインは淘宝)、聖誕節(クリスマス)
と、毎月のように何かしらイベントをやっています。セール中は元値記載がいい加減なこともあり、価格の適正値が正直よく分からないなどといった点も否定できませんが、オフライン(実店舗販売)からECへのユーザー流入は多く、依然として市場が大きく拡大しているのは間違いありません。
これらの中でも特に規模が大きい2大イベントたるのが、ひとつは618(618については以前に少しだけ書いてみました)。
もうひとつが日本でもお馴染み、双11(ダブルイレブン、独身の日など色んな呼び方がある)です。ただ、一口に双11といっても11/11当日だけセールをやってる訳ではなく、実際の商戦は一足早い10/20から各プラットフォームにおいてスタートしています。
筆頭はアリババ系統の天猫(TMALL)旗艦店。官方旗舰店といって、いわば各企業のオフィシャルショップ群。日本のニュースなんかで毎年取り上げられている(開始後◯分で✖️✖️元の販売達成など)のは、こちらが主戦場となります。
天猫超市。アリババがTMALL内でオープンしているスーパーマーケットです。
天猫国際。TMALL内のいわゆる越境ECサイト。この中には天猫の官方直営があったり、そうじゃないものがあったりと、少し複雑な体系になっているようです。
以上3つはアリババのB2Cプラットフォームで、天猫のアプリ一つあれば各チャネルにアクセスできるのですが、その実色々と細分化されている訳ですね。他にもアリババは淘宝(タオバオ)という有名なC2Cプラットフォームを抱えているものの、双11はB2Cがメインとなるため、こちらはさほどに大きな賑わいをみせていません。
続いては京東系統。京東にもTMALLと同じく、京東官方旗舰店(オフィシャルショップ群)が開設されています。
京東超市。京東が自社プラットフォームで運営しているスーパーマーケット。天猫超市と似たようなものですかね。
京東全球購。これまたTMALLと同じなのですが、京東内の越境ECサイトです。
唯品会。ECとしては天猫・京東に次ぐ三番手(だった気が)のプラットフォーム。京東のアプリからも入ることができますので、載せてみました。唯品会と京東の間で資本関係があるかは知りません。
認識誤りもあるかもしれませんが、ざっと挙げただけでも沢山あるECサイトにおいて、既に预售(前売的予約販売。デポジットを入れておくことで11/11当日に安く購入することができる)が始まりました。同時に割引チケットの配布も大量に行われており、今年の双11商戦も活況を見せ始めている様相です。
僕自身、今年は何を買おうかとネット散策に精を出しているところで、一番欲しいのは掃除機(ルンバ的な)なのですが、海外メーカー品にするか中国メーカー品にするかで頭を悩ませています。もう一つ言うと、11/11当日よりも今のような预售期間の方がお得に購入できたりもするようですので、ぜひとも色んなサイトを覗いてみていただければと思います。
一方で双11は果たして本当に安くなっているのかといったツッコミや検証は去年もありまして、非常に怪しいもんではあるとも思うのですが、中国における秋のお祭りみたいなものですから、ある程度そこはご愛嬌ということで。